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Chiwata's Diary
2011/03/20 20:35 『10日ぶりの東京です』

 みんな、大丈夫ですか? まだまだ色々な不便があると思いますが、被災地をはじめ、今回の災害の影響を受けた地域のみんなが、今日も元気でいてくれるようにと、想いを飛ばします。


 佐賀での仕事を終え(大阪・名古屋のライブを挟んで)、昨夜、10日ぶりに東京に戻って来ました。羽田空港に着陸する直前、飛行機の中から夜の東京の街を眺めました。東京タワーのライトアップが消えていたり、本来は煌めいているはずの繁華街の光も弱々しかったり、これまで僕が見ていた東京の夜の風景とは違う、独特な雰囲気でした。羽田空港でも、滑走路の明かりやターミナルビル内の照明が何割減かになっていたようで、人影もまばらでした。

明らかに、何かが違う。

10日ぶりに戻って来た東京で、そんな空気を肌で感じています。


 地震発生から、今日で9日。計画停電や交通網の混乱、食料品をはじめ色々な商品が品薄になるなど、関東地方でも様々な影響が出ていると、連日、テレビや新聞で伝えられていて、関東に住む友人からも電話越しにその状況を聞かされていたので、佐賀に滞在してる間もずっと気がかりでした。しかし、昨晩東京に戻って来て、実際に近所のコンビニの棚から色んな商品が無くなっていたり、いつも通る道の街灯が消えていたり、そんな実状を目にすると、この数日間の旅中に感じていた不安や心配の大きさとは比べ物にならない、リアルな感情が湧いてきました。

実際に経験しないと分からない事がある。

直接的な被害のほとんどない東京ですらこんな風に感じているのに、これが、甚大な被害の出ている地域だとするなら、果たしてどれほどの衝撃や痛みを感じるのかと、テレビに今日も映し出される被災地の映像を見ながら考えてしまいました。津波により壊滅してしまった町や村の現状。水や食料・物資の足りない避難生活の実状。危険を顧みず決死の放水作業が行なわれている原発の現場。実際にそこに身を置かれている方々は、どれだけの不安や悲しみを背負われているのか、、、。それはそれは、僕等の想像をはるかに超える、物凄いものなんだと想います。「ご冥福をお祈りします」とか「頑張って下さい」なんて言葉さえ、いま必死に困難を乗り越えようとしている皆さんに対して本当に掛けて良いのか、考えさせられます。被災された方々とは同じ立場や同じ境遇の中で痛みを共有できない僕等は、もっともっと想像力を働かせたり、もっともっと思いやりの気持ちを深くしたり、目には見えない「心」の部分を大事にしなきゃいけないんだと、東京に戻って来て、改めて強く感じています。


 今、部屋でパソコンに向かっているんですが、段々気温が下がって来て寒くなってきたので、さっき、クセで暖房を付けてしまいました。部屋に流れ始めた暖かい空気を感じた瞬間、ハッとして、エアコンを消しました。『おっとイケナイ。節電、節電。』 それだけで、今この瞬間も困難に立ち向かっている誰かと、少しだけでも繋がれたような気になれたのでした。一個人の生活レベルで出来るのは小さな事かもしれないけど、小さくったっていいから、自分にできる事を重ねて行けたらいいですよね。


 4/6のワンマン。『みんなに唄を届けたい』という願いや『オレが迷っちゃいけない』という想いから、中止は考えていないと伝えました。その気持ちは今日も変わっていません。でもね。東京に戻って来て改めて深く深く考えたら、もしかしたら気持ち的に参加を自粛したい人もいるだろうし、色んな影響で行きたくても行けない人もいるだろうし、僕一人が『やる!』って突っ走っても、それで困惑する人も当然いるんだろうなって、なんだか、心がムズムズし始めたんです。でもそれでも、僕の唄を必要としてくれる人がいてくれるなら、やっぱり、唄を届けたいです。市民の生活を守るために、そして自らが生き抜くために、品薄の状態でも看板の照明を消してでも営業を続けているのが商店の使命であるように、やっぱり僕等は唄うことでみんなと繋がっていくことが使命なんだと思います。唄を通してみんなが少しでも元気になってくれたらいいな?って、いつも想っていることと何も変わりません。このまま大きな余震も無く、更なる被害の拡大も無く、無事に開催されることになったら、照明や音響の面で少しでも節電に繋がることを考えたり、義援金の募金をさせてもらったり、自分に、そしてみんなと一緒に出来ることを真摯に考え、臨みたいと思っています。


 明日にかけて、また寒くなると言っています。被災地の皆さん、どうか体調には気を付けてください。今一番足りないものは何ですか。テレビから聞こえて来る情報よりも、そこにいるアナタの声が聞きたいです。

頑張ってください。

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