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Chiwata's Diary
2006/12/26 05:01 <旅日記 3>

『2日目』

 5時50分、起床。物音を立てないよう静かにシャワーを浴び、身支度を整える。友達の出勤に合わせ家を出、車で離島桟橋まで送ってもらう。曇り空。少し風も感じる。昨晩の飲みの席で友達に「せっかくだから石垣だけじゃなくて他の島にも行ってきなよ!」と言われ、いくつかの島を薦められた。それじゃまず、近い所から行ってみるか。ということで、8:30発のフェリーに乗り、石垣島を後にした。向かうは、昭和62年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された「赤瓦の家並」が残る、あの島だ。

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 10分ほどで竹富島に到着。港に隣接する総合案内所へ行き、島の地図をもらう。カウンターの女性からお勧めスポットをいくつか聞き出し、いざ出発。周囲9Kmの小さな竹富島とはいえ、果たして一日でどれだけ回れるだろうか。まずは集落地区を目指すことに。

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 歩き出してしばらくすると、雲が切れ、薄日が差してきた。半袖になる。目の前に現れる民家群。映画のセットみたいで、『うわぁ〜』しか言葉が出ない。異国に来たような、タイムスリップしたような、僕の中では非日常な感覚だ。集落を縦断し、さらに進む。

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 10時すぎ。亜熱帯特有の植物が生い茂る道の先に辿り着いたのは、沢山の修学旅行生やツアー客で賑わう「カイジ浜」。女の子たちが“星の砂”を必死に集めている。そんな砂浜の片隅に、持参していたブルーシートを敷き、ゴロンと横になって休憩。打ち寄せる波の音、潮の香り、心地よい風、・・・。気が付けば、ほとんど人もいなくなっていた。

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・・・この島に住むとしたらどうやって暮らしていけばいいのだろう?今の僕では恐らく生きて行けないかも知れないなぁ。離島に生きるということの厳しさ、求められるタフさを考えると、いかに自分が「文明社会」「都会」の中でぬくぬくと生活しているのかを思い知らされる。なんと甘っちょろいことか。ここでの生活は、本当に必要なものを大切にしていくような、そしてそれが受け継がれて行くようなとてもシンプルなものなんだろうなぁ・・・。

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 1時間ほど物思いにふけった。カイジ浜を後にし、島の外周道を北上。

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 途中、いくつかの浜辺に寄りながら、最北の「美崎浜」まで歩く。それから再び集落方面へ向かうため南下。1953年6月25日に建立されたという「なごみの塔」に昇り島全体を一望した後、昼メシにする。

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 石垣島の友達から『竹富島には高校時代の同級生がいて店をやってるよ』と、今朝方、車の中で聞いていた。13時すぎ。「恐らくこの店だろう」という勘を頼りに飛び込んだ。んーーー!ビンゴ!!!これまでの経緯を説明しつつ注文する。昨日に続いての「八重山そば」と、「オリオンビールの生」。すると、な、な、なんとビールはサービスしてくれた。その上、今晩の宿まで手配していただいて、いやいや本当にありがとうございます。同級生の方にお礼を言って、14時すぎにそのお店を出る。先にチェックインでもしておこうかな。

 宿に着き、“おばあ”に挨拶。軽く話がはずんだ後、島の東側に位置する「アイヤル浜」へ行ってみることにした。宿からは2キロほどの距離だ。

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 ジャングルの中を突っ切るような荒々しい雰囲気の一本道を数10分進み、たどり着いたアイヤル浜。潮流が速いため遊泳禁止。サンゴの欠片が帯状に打ち上げられていて、その中から二つの文字を探す。たった一人の浜で、一時間かけて見つけた『ム』と『ク』。その他『亥』という字もこしらえてみた。「無」になれた時間だった。

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 16時まで過ごした後、また集落部まで戻り散策。どこかのテーマパークにでも迷い込んだような気分だ。少しずつ陽が傾いてきた。せっかくだから夕陽でも見に行こう。島の西側にある、その名も「西桟橋」まで足を伸ばす。日没までの30分間、桟橋に寝そべりながら沈み行く太陽を眺めていた。

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 18時すぎ。宿に戻った時には、食堂で夕食が始まっていた。スーツ姿の添乗員さんと一緒に6人のおばさま達。群馬や埼玉からツアーで来ているらしい。その他、一人旅の男性が二人。一人は栃木出身で東京在住の大学生。もう一人は京都弁が印象的な40歳くらいの技術者か。泡盛を飲み始めてしばらくすると、僕らお客を含め、その場に居合わせた人たち(遊びに来ていたお孫さんや集まって来た親戚の方々)が自然と仲良くなり、気の合う者同士で近くの飲み屋さんに出かけた。それから何時間そこに居たのか、どれくらい飲んだのか、何を語り合っていたのか、どうやって帰ったのか、あまり覚えていない。長くて濃い一日が終わった。つづく。

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